「人を励ます福音」

スペシャルオリンピックスのPR

 「いつも応援しています」と、あるTVタレントが、スペシャルオリンピックスの選手団に応援のメッセージを語っていました。スペシャルオリンピックスとは、知的発達障害のある人の自立や社会参加を目的として、日常的なスポーツプログラムや、成果の発表の場としての競技会を提供する国際的なスポーツ組織です。国際大会は4年に一度行われ、日本を含む150カ国以上がこの活動に参加しています。人を激励できるのは、同じ苦しみを体験してきた人でなければ難しいのです。  使徒パウロは、苦難に遭っていたからこそ、弟子たちを励ますことができました。

B.聖書より

  

そして、この地方を巡り歩き、言葉を尽くして人々を励ましながら、ギリシアに来て、(3a) そこで三か月を過ごした。使徒言行録20章2〜3a節
 エフェソにおける騒ぎが静まり、パウロは、弟子たちに激励を与え、別れのあいさつをして、マケドニア地方へ向かいました。そこで、福音(良い知らせ:全世界を創造された神さまが、神さまのひとり子イエス・キリストを信じることによって、私たち罪深い人間を救い、永遠に愛し、祝福してくださるということ)に関する多くの言葉で、人々を励まし、勇気づけたのち、ギリシャへ行きます。福音を心から聞くならば、必ず励まされたり、慰められたり、勇気づけられたりします。この世の生活のとりこになって福音を語るようであるならば、福音は、少しも慰めや励ましとはなりません。

C. 自分の心をキリストの飼い葉桶とする ローズ・ケネディ

 「私は当時、まだ未熟な新妻で、子どもが生まれることで得意になっていました。美しい女の子が生まれると、夫も私も有頂天でした。しかし、その子が知恵遅れだと分かると、喜びは怒りへと変わったのです」こう証言するのは、ジョン・F・ケネディー大統領の母、ローズ・ケネディーです。彼女はカトリック信者で、9人の子を育てましたが、一人が知恵遅れで生まれた時、「神はどうしてこんなにひどいことをなさるのか」と神さまに背を向けました。憤りのあまり、だれとも口を利かず、世捨て人のようになってしまいました。その頃、一人の女中がケネディー夫人に言いました。「奥様、このことで奥様の人生を破滅させてはなりません。私は奥様をとても愛していますから、申し上げさせて下さい。奥様の心を、イエス様がお生まれになる飼い葉桶としない限り、幸せにはなれません」  それを聞いた夫人はその場で女中を解雇しました。しかしその夜、夫人は遅くまで眠れませんでした。あの女中の愛に満ちた顔、優しい表情、魂から沸き上がる喜びが脳裏から離れないのです。夫人はベッドの横にひざまずき祈りました。「神さま、私の心を、イエス様がお生まれになる飼い葉桶として下さい」すると夫人は自分に神聖なものが入ってくることを感じ、情熱が込み上げ、知恵遅れの子への愛が生まれました。女中はケネディー家に呼び戻され、生涯共に暮らしました。  1962年、ジョン・F・ケネディーの妹のユーニス・メリー・ケネディ・シュライバーが自宅の庭を開放して35人の知的発達障害のある人たちを招いてデイキャンプを行いました。これがスペシャルオリンピックスの始まりです。今では、世界150カ国以上に広まった知的発達障害者のオリンピックは、一人の女中が、信仰によってローズ・ケネディーを励ましたから起こったのでした。

D.結び

 イエス様の福音は、人々を勇気づけ、励ますものです。この世的な利益を求めて福音に触れるのではなく、悔い改め、心を神さまに向けて福音を伝えましょう。御翼2011年1月号その2より

 
  
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